「はっ、そうだ!おら、わたるんっ。てめえにこの男子たちの青春本をやっから、俺を助けてくれ!」
「要りませんよ」
「はああ!?てめえ、それでも男子かっ。拾ったえろ本に興味ねえだなんて、今はやりの男の娘ってやつか!それか、ふたな――」
「ほんと、冬月君呼びますよ」
「はひっ」
渉のおかげでかなりきわどい発言が阻止できた。冬月の名を聞くだけで震え上がるとは、さぞや地獄絵図的なことをされてきたか。
バイブしゃれこうべの頭頂部を指で無意味に押さえながら、ふと、藤馬が立ったままの渉を見て、にやける。
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