「あ、あき、き、ふ、ふゆゆゆ……っ」
歯がカタカタなりすぎて発音ができない。壊れた自動クルミ割り人形みたいだ。希望を求めたのに更なる絶望。狂って気絶しそうになる直前、頭頂部に刀を突き刺された。
あまりの力に一度バウンドし、頭頂部を通った刀が下顎を通り地に突き刺さる。
「ひゃ、ひゃふっ、ま、まっ――」
間を置かずして二刀目。最初の串刺しから垂直になるよう斜めに刺す。頭の中で刀が交差し、十字架でもできたようだ。
外で串刺し刑、中で磔刑。
一撃目が秋月で二撃目が冬月。
秋月の狐面が笑い、冬月の素顔が無表情に。
「「覚悟はいいな、噛ませ犬」」
溝出への最終通告を出した。


