学ばない頭は、下に行けば地面で割れるし、上ならば木にでもぶつかるか。どこに行くかも分からない九割弾入りロシアンルーレット。結局はどれもが外れで、骨が更にバラバラになるわけだが。


「どわっ」


「ああん、なにこっち来てんだよ」


一割の奇跡は、藤馬のもとに飛ばされたおかげで割れずに済む偶然。


藤馬にしてみれば、キャッチボールのボールを掴んだ気持ちなんだろう。左眼窩に指をかけて、溝出を逆さ吊りに覗き込む。


「てめえの祟り消した俺に礼の一つもねえのかよ。野槌の祟(怒)りをわざわざ、あっち飛ばして喜びで上塗りにしてやったんだ。あっちでヨダレ垂らしまくりのいかれになるほどハイになった野槌だからこそ、今のてめえは怒りから“見逃された”んだぞ?俺の働きがあってなぁ」



「はああ?いきなりなんだ、てめえ?詐欺のたかりか、おれおれ詐欺か、おれが救った詐欺か。おうおうっ、てめえ、おい、包帯っ」


「んだ、骨?」