「見えないモノを疑うのは当たり前ですが、見えてしまうものは仕方がないんですよ。僕の目は“こんなの”を映しやすい。僕自身が……危ないモノと隣り合わせに生きていますから」
都市伝説たる阿行が見るのと同じ光景でもある、いわゆる、怪異系のもの。
冬月とて退治屋だが、渉とてただの位に収まらなかった。
渉は呪われている。
強力故に、あるきっかけで周りにもトゲが刺さるような茨を巻いていた。
冬月に刀を向けられようが取り乱さないのは冬月が同じ生徒を切れるわけがないと高を括っているわけではなく、刀が当たらないと確信しているからだった。
渉にはどんな傷つけも通らない。呪縛たる壁が、私が圧し殺すと第三者の攻撃を受け流す。


