渉にとって溝出は初対面でないし、見る度に打ち捨てられたボロ雑巾でいるのだから、骨がどんな状態であっても驚きやしない。
また変なことをして自業自得な結果になったのだろう。それでも溝出はまたヒャッハーと飛び回るわけだが。
「溝出さん、ですよね……、それ」
やっと出てきた言葉は、微かながらに当惑していた。
冬月に制裁された骨など溝出の他ないが、渉の目からでもおかしく思えた。
――アレは、なんだ?
「わたるん……、アレ……」
背中の阿行で言えば、縮こまっていた。震えが背中越しから伝わるほどに。顔文字も((((;゜Д゜)))に変わっている。


