そんなこと今更だから、いいんだけどさ。
怒る気もない。
「元気ないじゃん。なに。珍しい」
「…あのねえ。『あんた近いうち死ぬかもー』なんて占いで言われたら誰だってびっくりするわ」
「はっ、バカバカしい。ただの占いでしょ」
完全に鼻で笑いましたよこのひと。
「私はそういうの信じるのー半分信じてないけどー」
「なにそれ。どっちなんだよ」
コツン、とおでこを小突かれた。
嘘と思いたかったけど、嘘ついてるふうには…私には見えなかったけどな。
それに何より気がかりだったのは「鬼」という言葉。
それが何を示しているかは釈然としないが、おそらく妖か邪鬼どちらかに属する、何かだ。
─一般人…ただの占い師が、鬼なんて存在を信じるだろうか?
ラミーさんて本当に占い師?
何者?
疑問がむくむくと湧いて、お肉も味がしない。
うう、なんで今日はこんなに厄日なんだ。
「今日は楽しむんじゃなかったの?」
「た、楽しいよ! 楽しいけどさ。…やっぱ、ショックじゃん」
「……例えそれがホントにそうなるとしても、覆せばよくない?」
へ?
驚いて薫を見ると、しれっとした顔でご飯を頬張っていた。
ちゃんと飲み込んでから薫はまた口を開く。
「『死ぬかも』って言われたら杏子はそのままコロッと死ぬの?
…俺にはそういうひ弱なヤツには見えないけど。もっとがめつくてしつこくて、うざったかったじゃん」
おい。
「遠まわしにディスるのやめてくれます?」
「誉めてるんだよ!」
どこが!
