*次の日* 「おはよう」 少しドキドキしながら、1年2組の扉を開けた。 すぐに皆が私と同じように返してくれた。 なんだか、くすぐったい。 「椎名さん」 自分の席で支度をしていると、自分の名が呼ばれたことに気付く。 「えっと、クラス委員の九条飛鳥(くじょう あすか)さん?」 「そう。あの・・・頼みごとがあるんだけど、いいかな?」 サイドに高く結われた髪がサラリと揺れた。 私は笑顔で返事をする。「もちろん」と。