はらり、ひとひら。



緋嘉さんは暫く考えた後、頷いてくれた。どうやら彼も協力してくれるらしい。

「だが、やるにあたっては細心の注意を払わねばいけないよ。あの岩は今、本当に危ない状態にある」

彼は続ける。

「人の首と胴体が皮一枚で繋がっているような…本当にギリギリの状態なんだ。時間の経過と共に、岩自体に宿る封印が弱っている」 


それじゃあ岩自体の老朽化が進んでいる可能性も高そうだ。あまり強い結界はかえって危険になる…

様子を見ながらの綱渡りということか。失敗すれば岩は破壊、眠っていた厄災はたちまち目覚めてしまう。

そしてこの町などいとも容易く飲みこんでしまうだろう。


失敗は許されない。

「とりあえず今日は様子を見に行こう」

「はい」

立ち上がって念のため愛刀を手に携えた。


「……目付きがちょっと怖すぎるなあ」

「え」


あまり気を張りすぎないように、と彼は優しい目を細めて笑い俺の頭を撫でた。


…労ってくれた?


というか…そんなに恐ろしい顔つきだったろうか。なんだか少し複雑。