はらり、ひとひら。



だがひとつわからないことがあった。

「どうして師匠は、私の夢の中に現れることができたの?」

今まであまり口を閉ざさなかった彼は、言い淀んで視線を逸らした。

「…お前が知る必要はない」

「え!? あるよ!」

だっていくら流石の師匠だって、そんな人の夢の中に入って来るなんて芸当。不思議でたまらなかった。

なんで言いづらそうにしてるんだろう。簡単には言えないことやらかしたんだろうか。


「ま、言いづらいのもわかるけどねえ」

「おい」

「今回ばかりは正攻法だけじゃ流石に厳しい」


灯雅があっさり私に答えをくれた。


「無理矢理つなげたんだよ、現世と夢の世を」

「…と、言いますと……?」

「簡単にいうと神の力を利用させてもらったのさ。ふつう御咎めを受けるくらいの罪なんだけど、これしか方法なくってね」


けらけら笑う灯雅に唖然とする。師匠は不服そうに、どかっと畳に腰を下ろした。


「おい。言わないと言ったろう、馬鹿かお前は」

「堅いこと言うんじゃないよ。知りたがりには教えてやらないと。これも教育の一環だろう」

「…お前とはどうも反りが合わん」


冷たい言葉にも大してダメージを受けていない様子で、彼女はふうっと煙管をふかす。