吐息がかかって頭がパニック。僥倖だがそういう問題じゃない。わああと顔から火がでそうなくらい熱くなって最早半ば肩を叩いている。
「…お、起きないし……」
すごい寝入るの早かったけど普段からこんな感じなんだろうか。
なんかもう…このままでいいかも? 起こすのを諦めてじっとしていることにしよう。
そう思った矢先、すぱんと襖が開いた。
「お義兄さん!!」
血相を変えた月子ちゃんが息を切らして立っていたが、私を見た途端目を丸くする。
「っ、お、お姉さん!??」
「や、やあ月子ちゃん…」
「な、なんでここに…! というかその、どうしてお義兄さんと同じ布団にっ」
見ちゃいけないものを見てしまった、といわんばかりのいたいけなリアクションに焦る。純粋な中学生にあらぬ誤解を植え付けてしまう!
ちがうんです訳ありなんです。お願いだからいなくならないで。
「あぁ、意識が戻ったんだね。出口間違えてあんたまでこっち連れてきちゃったけど」
「まったく災難だった。おい、大事ないなら帰るぞ杏子」
灯雅さんがひょっこり顔を出して、続いて師匠も現れた。
いまいち状況が読めない。
「師匠。なんで師匠もここに」
「詳しい話は帰ってからでもいいだろう。…それよりなんだその格好は」
「え、いやあ…訳ありで、えへへ」
私に寄り添って眠る神崎くんを見て師匠は何かを考えてから、ぽつりと呟く。
