ずっと望んでいた。
待ち続けてはないものだと、心のどこかでとうに知りながら…それでも求めずにはいられなかった、父の面影。
「杏子。ずっとここにおいで。ここでずっと、みんなで遊んでいよう」
迷いのない声だった。
「ここに…?」
飽きちゃわないかな、少し笑って訊く。
「飽きたら今度は動物園に行けばいい。水族館でも、映画館でも。どこへでも連れて行ってあげる」
─家族4人で行こう。
気配に振り向くと、そこにはお母さんと海斗が立っていた。
二人とも幸せそうに笑ってる。
「杏子、さあ来て」
「早く行こうよ。姉ちゃん」
あぁ。
そうか。ここにいれば、幸せが。
あれだけ望んだ幸せが手に入る。
家族4人で…いつまでも一緒に─
「うん。行く…」
くらい
しずむ
それでも こころは満たされていた こころだけは
