この量を二人だけで?しかも先生は、祓い人でも巫覡でもない、全くの素人じゃないか。
─無茶だ。
「素人でもやれるだけやってやるさ。折角『よく見える目』持ってんだからな。活かさないと」
それに俺には、雪路がついてる。
そう言う先生の眼には、強い意志を宿らせたともし火が。
「心配すんな!生徒守るのも教師の役目だ。…行って来い」
「そんな…」
「…少年。負い目を感じる必要はありませぬ。主様は必ず、私が命に代えてでもお守りします。それよりも、今は己にしか出来ぬことをするべきです」
─自分にしかできないこと。
…妖を止めて、どこか遠くへ行ってしまった椎名さんを救う。
自分の手に再び力がこもるのがわかった。
「わかった。ありがとうございます先生、雪路」
頭を下げて、駆けだした。どうか無事で、と祈りながら。
胸に灯る火はそう簡単に消させない。─この想いも。
