はらり、ひとひら。



「杏ちゃんだけじゃ飽き足らず?あんな美人も掌で転がしちゃうって?」


プレイボーイ!声高らかに叫ぶ朝比奈。ばしばし背中を叩かれる。めちゃくちゃ痛いんだけど。


「あの人は別に。お手伝いさんだよ」

「はーん?」


ほんとは妖…式神だけどね。


「菓子、食べようか」

「頂きます!」


あ、美味い。やっぱりお茶に和菓子は合うなあ。


「食べたら勉強、再開しよう」

「えーっ!早くね!?」

「俺も勉強したいし、わかんないとこだけ教えるから早く帰って」

「ヒドッ」


まあ別に、何時までいてもいいけど。


文句を垂れながらも練り切りを食べ終えた朝比奈は急に真面目くさった顔をして、教科書を開いたのだった。

…なんだかんだ言って、真面目だもんね。


解説しながら二人で机に向かう。朝比奈は成績はいい方だし、飲み込みが早いからきっと明日の模試は大丈夫だろう。



部屋の隅、壁に寄りかかり腕を組んで俺たちの様子を楽しげに見守る灯雅の目が、優しい色をしていた。



[男子といふもの 了]