「おっ今ちょっとテンションあがっただろ」
「うん」
「かーーーお前も隅に置けねえよなあ」
同じアプリを開いて、最新の投稿を読み込むと写真つき。見慣れた顔が見えた。いつもの制服じゃない、私服の椎名さんだ。
髪型も、いつもと違う、真っ直ぐじゃない。なんかこう、ふわふわしてる。
何か食べてる。口いっぱいに頬張って、幸せそうに笑ってる。なんだこれリスみたい。小動物がいる…
「…かわいい」
「フゥ~~」
とりあえずそっとお気に入りのボタンを押しておいた。
今日はどこにお出掛けなんだろう。
「んでさぁ、なんでお前ら苗字呼び?」
「…あー。なんでだろうね」
「他人行儀じゃね?」
言われればずっとそうだった。今まであんまり気にしてなかったけど。
「今更なんて呼べばいいかわからないし」
「呼び捨てでいいんじゃん?」
「え」
呼び捨て?…よびすて。
言葉を反芻して、思い浮かべる。あんず、と脳内で呼んでみるけど恥ずかしくて無理だった。
「女子か」
「いや、無理絶対に無理」
