「僕はあくまで自由が好きなんだ。それに、面白いことなしじゃやっていけないし。主は多い方が楽しいだろ?…だけど、主に飽きたり失望したら、諡(おくりな)なんて途端に邪魔な鎖に思えるよね」
名は重みだ。だけど僕は、それをいつだって渇望してる。おかしいね。
自分から縛られにいくなんて。
笑うと明はため息。あぁ、あとそれに─
「二つ名は強さの象徴さ。明、僕は君の何倍強いと思う?」
ぴくりと彼の眉根が寄った。
「なーんて。冗談」
「っ、マジびびらせんじゃねえよ…俺はお前みたいな戦神じゃないんだぜ?」
「あははは」
本気で固まった明が面白くて笑う。
読み飽きた漫画をパタンと閉じると、明と呉の霊界から出た。
「またね」
気づけばもう、申の刻。
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そろそろ帰ろうか、と森から出ようとしていると人影が横切った。またか、今日はよく見るな。と見やるとその顔には見覚えがあった。
「 」
久しぶりに呼ばれたその名に、僕は笑って返事をした。
「なんだい?」
