はらり、ひとひら。



「だが、私が本来の姿に化ければ、普通の人間はおろかお前の家族さえも目に映すことは出来なくなるだろうな」

「そうなんだ・・・」


少し残念な気持ちになる。


でも、この前みたいな危ない妖に狙われる心配も少ないってことか。



「安心しろ、お前の家族は極力巻き込まん」


私を安心させるように、足元に擦り寄って来た。


「うん・・・ありがとう」

大切な人は巻き込みたくは
ないよ。


私には、師匠がいる。私も強くなって、みんなを守る。だから、きっと大丈夫。



「杏子ー、シロちゃーん、ご飯よー」


シロちゃんって…

「ぷっ、命名されてよかったね師匠!」


「なんたる侮辱…安直な名前をつけおって…!」


…いや白狐もけっこうそのまんまだけどね?