「罠?はめられた?…呆れた。今更白々しいことをよくぬけぬけと」
「教えて、どうしてこんなことするの…!」
何も伝わらないし、伝えられない。澪の勝手な自己完結で体を入れ替えられた挙句、人や師匠を襲ったりされたらひとたまりもない。
命も、信用も、全部奪って失ってしまう。
そんなの絶対に御免だ。
「……」
「澪!」
「…母様」
「─え?」
今、なんて。
「っ何!?」
聞き返したすぐあとに、地響きがした。揺れている。地震!?
「あぁ、時間か。この身で長居はよくないな、戻るか。馬鹿な人の子、上手く立ち回ってくれることを期待しているぞ」
「うわっ!」
澪は私を抱えると洞窟らしきところから駆け出した。
外へ出ると明るさに目がくらむ。私と澪は元いた池のほとりへやってきたようだった。
あるであろう洞窟の入り口はどこにもなくなっていた。もしかして、黄泉の国とか、そういう類のところに連れ込まれていたんだろうか。
「ようやく出たか。霊界に連れ込むなど、余程杏子がほしいか」
