はらり、ひとひら。



帰った方がいい、ではなくて本当は帰ってほしかった。


これ以上一緒にいると気が狂いそうだった。求めてしまいそうだった。



そうか、私は。彼女のことを、そういう目で見ていたんだ。



「…帰りたくない」



真っ直ぐ見つめる瞳に身じろぐ。駄目だ、と距離を測ればざくろは無言で距離をつめ、私の濡れた着物に鼻面を押し付けた。


小さな手が震え、両腕のあたりを引っつかむ。



「最初から居場所なんてないもの。私の居場所は、ここしかない…」


「離れてくれ」

「イヤ」


首を振る彼女を無理矢理、肩を掴んで引き剥がす。引きずってでもざくろを家に帰さなければ。そして、二度と会わないようにしなければ。



傷つけてしまうから。