はらり、ひとひら。



意識した私が馬鹿みたいだ。


というかそもそも、妖なんて動物みたいなものじゃない。


会話できる動物みたいな。


だから、見られたってどうってことないじゃん。


さっきの自分の幼稚な考えに自分でもおかしくなってきた。


「杏子」


「え?」


突然真剣な声色で師匠が私の
名を呼ぶので少し驚いた。