「あー…私暑がりなんだ。冷え性でもないし。琥珀は寒がりなの?」
「まあ寒さは嫌いだな…」
「んー。じゃ、たき火でもしよう」
言うが早いか、止める間もないうちにざくろは枝を集めに駆け出した。
共に枝を集めているとき、虫を見つけたざくろは嬉しそうにそれを摘まんで自分へ投げた。勿論私は怒ったが、それでもきゃらきゃら、おかしそうに笑っていた。
─変わっていた。
自分の為に何かをしてくれる人間は初めてだった。
「あちゃー。やっぱり凍ってるかぁ」
「だから言っただろう」
冬の川は寒波によって薄く氷を張っており、魚の影はまばらだった。
「なんか突っつくもの、持ってない?」
「ない」
「あそ」
ぎょっと目を見張る。何を思ったのか、ざくろは制服の裾をたくし上げると裸足で氷の上に片足をついたのだ。
