はらり、ひとひら。



次の日もざくろはやって来た。


「ねえ、ここらへんで美味しいお魚の住む川とかないの?」

「…はあ」


探せばいくらでもあるだろうが、この寒さでは川も凍ってるんじゃないかと答えればあからさまにざくろは残念がった。


「氷突き破ったら下にいるかな?」

「そうまでして食いたいのか?」


「違うってば。琥珀に食べさせてあげたいの」


…私に?


「だってお腹すかせてるみたいな顔だもん」


どんな顔だ。


「冬は確かに食べるものが少ないが、妖はそもそも飲まず食わずで生きていけるんだ」


「えーっ。つまんないの」

「それより薄着だな。今日寒くないか?」


見るからにざくろは寒々しい格好だった。昨日より冷え込みは厳しくないとはいえ真冬の森。なのに、薄っぺらい学生服と頼りない上着を一枚ひっかけただけの服装だった。