はらり、ひとひら。



【杏子side】


「時折盗み見に行っていた日々だったが─ある秋から、彼女は姿をぱたりと消した」



え?

さり気なく視線を彼に向けるがアカバは俯いていた。彼の綺麗な髪が、風に流れる。



「彼女は、事故に逢ってしまったそうだ」


そんな。でも、私があった茜さんは確かに生きていた。幽霊という感じはまったくしなかったし…


「茜さんは大事なかったの…?」


視界の端で、紅葉がゆっくり踊る。鮮明な赤が目に眩しい。



「奇跡的に命は助かった」



含みのある言い方に、私の視線は彼から離れなくなった。