変に臆病な私は、好きだという一言が告げられなかった。想いを殺し他愛もない話をした。 アカバさんは、いつも私の話を楽しそうに聞いてくれたので話が弾んだ。 「アカバさん」 「なんだ?」 触れるか、触れないか。ぎりぎりの境界線を越えないように。 「…ずっと、こうして傍に居てくださいね」 自然と漏れた自分の言葉に驚いて口を押えた。慌てて彼を見やれば眉を下げた悲しい顔。 「ごめんなさい、私なに言って…」 「茜」 ひやりと冷たい掌に手首を掴まれる。魔法にかけられたみたいに、身体が動かない。