「な、なんだ?」
まさか人でないと気づかれたか。冷や汗が背中を伝う。
「い、いえ。失礼しました。じろじろ見つめてしまってごめんなさい」
「私の顔に何かついているか?言ってくれ、何か変なところが」
「な、ないですよ!何もついてません。綺麗な顔しか御座いません!」
は。
「き、れい?」
「あああ馬鹿私の馬鹿…」
拍子抜けしていると彼女は掌で顔を覆って俯いた。とにかく人でないと悟られたわけじゃないらしい。容姿のことなど頓着したことがないのでよくわからないが、自分よりよっぽど彼女の方が綺麗な顔立ちをしていると思った。
「なっ、お…お客さん!全部声に出てます!やめてください恥ずかしいですっ勘弁してくださいな…!」
「!」
人の心とは難しい。
