暫くふたりで茶を啜り、他愛もない話をしてから別れた。すっかり疲れ、眠たげにあくびを繰り返していたので自分の方から切り上げた。昼間あれだけぴしりと伸ばしていた背中が、丸まっているのがどうも可愛らしかった。
昨日の疲れがとれたのか、翌日には雲一つない秋晴れによく映える笑顔をまた撒いていた。
昨夜は結局、名を聞き損ねてしまった。
今夜こそは訊けるだろうか。
「こんばんは。今日も来てくれたんですね」
「あぁ。迷惑じゃないだろうか?」
「まさか。全然構わないですよ」
思いのほか嬉しそうな声が響いてほっと息を吐く。
どうぞと手渡された茶を受け取り、口をつける。と固まった息を吐き出すと、彼女の視線とぶつかった。
