【天音side】 「思い…出せ、東雲」 そんなに暴れるな、頼むから。私たちは、友人だっただろう。 「思い出せ!─東雲!!」 ************** どいつもこいつも、群れるのが好きだな。人も妖も動物も。 くだらん。群れることになんの意味がある。群れをなすのは弱さの象徴。ひとりで生きられないとはなんと情けない。 私はずっと、独りでいい。 「…貴女も、独りなの?」 誰だ? 茂みの中から姿を現したのは、綺麗な瞳をした奴だった。 「誰だ。私に構うな」 「貴女、名前は?」