はらり、ひとひら。



【天音side】


「思い…出せ、東雲」


そんなに暴れるな、頼むから。私たちは、友人だっただろう。



「思い出せ!─東雲!!」


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どいつもこいつも、群れるのが好きだな。人も妖も動物も。


くだらん。群れることになんの意味がある。群れをなすのは弱さの象徴。ひとりで生きられないとはなんと情けない。


私はずっと、独りでいい。


「…貴女も、独りなの?」


誰だ?

茂みの中から姿を現したのは、綺麗な瞳をした奴だった。


「誰だ。私に構うな」

「貴女、名前は?」