『赦さんぞ!!!』 「っ─!」 黒い邪鬼が、私に向かって─ 反射的に目を瞑る。師匠が、私の目の前に滑り込んだのか視界の端で白いものが見えた気がした。 「やめろ!!」 その声にばっと目を開ける。私を庇うように立った天音は、変わり果てた姿の東雲を抱きしめていた。 「天音…!?」 『放せッ放せ!おのれぇ…!』 東雲がじたばたと暴れる度、天音の白い羽根は赤く染まって散っていく。言葉が出なかった。