はらり、ひとひら。



「微妙だが及第点だ」


膝の上に乗っていた師匠が移動して、肩へと移った。ぴったり丁度いい肩乗りサイズ。


柔らかな尾が私の肌に触れ、くすぐったい。



「師匠。これからよろしくね」




優しい妖に出逢えたこと。



「あぁ。言っておくが私は結構スパルタだぞ」


「いいよ、受けて立つんだから!」




妖と、はじめて心を通わせられたこと。


一人前の巫女になる。師匠と共に道を歩んでいく。そんな決意が確固たるものになったのだった。



不意に一陣の風が吹きぬけ、早咲きの桜の花びらを舞い上げた。