「杏子!身固めの符を使え、この際略称でもいい急げ!」
相当強い念で動いているのを見かねた師匠の声が飛ぶ。略称なんて邪鬼に効かないでしょ!?やるなら徹底的に抑え込まなきゃ…使える霊力全部出してやる。
惜しんだりなんか絶対しない!
「塞、縛、封、遮、鎖し籠め!」
『ぎええっ』
札を向けた先、東雲の身体を電流のようなものが走り動きを抑え込む。
弾き飛ばされていた天音は起き上がると東雲に手を伸ばし、いざ触れるかというぎりぎりのところで札の効力は切れてしまう。
「そんな!?」
『邪魔するなぁあ…』
駄目だ、符の力が弱すぎる。焦れば焦るほど霊力は餓えていくようでパニックになっていく。
