「おばあちゃんもきっと、優しい妖と出逢えて嬉しかったと思うから」
白狐と同じように空を仰ぐ。綺麗に澄んだ青色だった。
─きっと、嬉しかったに違いない。
「…おかしな奴め」
「そうかな?・・・そうだ、私貴方をなんて呼べばいい?名前?」
「名はやめろ。私のような名の知れた妖は色々な奴に狙われているから人間がやすやすと呼ぶと面倒だ」
名の知れた妖って有名な大御所だったりするんだろうか。確かにすごいさっきの化け狐の姿のときは強そうだったけど…今の姿でふんぞり返られても、正直シュールなだけだ。
…まあ、ひとまず。
「じゃあ『師匠』とか?」
