「…友の名は、東雲だ」 師匠の顔には、なんの変化もなかった。ただじっと天音の瞳を見つめていた。探るような眼だ。 「そうか。分かった」 「何かあったのか?」 「なにも」 暫く息をすることすら厭うような冷たい空気が流れた。 張りつめた空気が少し緩んだ頃、師匠の傷を間近で見ると、見た目によらず随分と浅いようだった。安堵のため息をつく。 「手当てするから、師匠もとの姿に戻って?」 師匠は言葉を濁したけれど、森で何かあったのは必然だろう。…多分、天音に関係することで、何か。