はらり、ひとひら。



「何故そんなにそいつを放すことを渋っている?」


夕焼けが窓から畳を焼く。


「だって…まだポポと一緒に居たいんだ」


やっとのことで絞り出た声は駄々をこねる子供のようでひどくみっともなく思えた。


ぎゅっとポポを抱くとポポは楽しそうに鳴く。


「初めから『それが良くなるまでこの家に置く』という約束だった筈だが」


「…わかってるよ」


でも。もうこんなに手放し難くなってしまった。…今更放しても、野生には戻れないんじゃないか。家に帰って来てしまうのではないかと考えたが、自分がそうさせたくないだけのエゴ。


都合のよすぎる話だと頭の隅でもうひとりの自分が笑った。



「そんなに放すのが嫌か」