適当に頷いて体温計を挟み、じっとした。それにしても自分の名前は、何度聞いても笑えてしまう。
何が千歳だ。両親はどんな理由でこの名をつけたのかわからない。
生まれて二十数年の若い命。年を数えるのを途中でやめたから、実はもう三十を超えているのかもしれない。
でもそんなこと、まるでどうでもよかった。
あとは約束された死に向かって走るだけの自分には必要のないものばかりだった。
医者や看護師の可哀相なものを見るような目も、かつては大切だったはずの思い出も、不味い病院食も、命を繋ぐ錠剤も。
全部必要ない。無意味だ。どうせこの部屋の中、遅かれ早かれ力尽きてしまうんだから。
