はらり、ひとひら。



「──うまそうだ」


不意に、森で妖怪に襲われたときに聞こえた声を思い出す。



『死ぬのが恐いのなら意地を見せてみろ』


─意地を。


「─放せ!!」


この前と同じように喉が張り裂けそうなほど、声を荒げた。


その途端、眩しい光が私の身体から
放射され、私に纏わりついて
いた妖怪は吹き飛ばされた。


やっぱりだ。


強く拒めば、私の身体から何か
発射されるのだろうか。

これも、修羅の血の力・・・?



「おの・・・れ・・・!く、そ」


妖怪は身悶えして唸っていた。

チャンスだ、とにかく逃げなくちゃ!