はらり、ひとひら。



「食えばわかるさ」


能面はせせら笑った。


どうしようこのままじゃ私、
本当に駄目だ。

海斗まで巻き込んでしまう。


押し倒された際に離れた巻物に手を伸ばす。


わからないけど、どうにかしなきゃ…!



「ああ可愛い可愛い桜子、骨までしゃぶってやろうな」


生白い手が枝分かれして、蜘蛛が巣を張るように私を囲った。


「もう、少しっ─」


はやく、巻物を…!