はらり、ひとひら。



「私、これからどうなるのかな」


『巫女をやる』とは言ったけれど、自信なんてなかった。頼れるものは自分自身と、祖母の遺したものだけ。



家族は極力、危険に晒したくないな…。



数日前に襲われた妖怪のことを思い出す。ぞっとして手が震えて、皿を取り落してしまう。派手な音が耳を突いた。



「だめだ、しっかりしないと…」


洗い物を終えたらもう一度おばあちゃんからもらった巻物、見返してみよう。いつ妖怪に襲われても大丈夫なように、みんなを守れるようにしたい。

とにかく今は、知識をつけることが最優先だ。


─ピンポーン


「チャイムだ」

珍しいな、こんなに朝早く…宅配便かな。


ふきんで手を拭い、スリッパを
履いて玄関へと走った。