今日の日のことは、どんなに時がたっても忘れない。特別な思い出だ。 見える者同士、三人だけの秘密。 「また明日」 手を振り、笑い合った。私たちが見ているのは、優しく色付いた世界だ。 優しくも強い者。誇り高い、人と似て非なる妖という存在。 ─妖のことを、もっともっと知りたい。 「まったく、無茶苦茶な奴だお前は」 「えー誉め言葉だよ。それ」 だけど─ -------------------- 私は、 「あーあ、失敗失敗…」 すぐそこで笑う影に、気づけない程目が眩んでいたんだ。