「おや?そちらの方は祓い人。神崎の血縁者か」 「そうだ。神崎真澄。お前は?」 「申し遅れました。私は朱獅子…さて椎名様」 朱獅子の視線が私へと投げかけられ、思わず身震いをする。 待って、お願いだから。 「この朱獅子、無事に妖狩りの犯人を突き止めました」 聞きたくない。聞きたくないのに。全神経が、彼の声に集中してしまう。 「貴方達の誰よりもお傍に居る」 「矢野樹という男ですよ」 あぁ、そんな。