はらり、ひとひら。



【白狐side】


「大丈夫か」


布団に横たわり、薄らと目を開けこちらを見る杏子。


「し、師匠なの?な…んで、どうしたのその姿?」


大層驚いた顔をしているが、まあ無理もない。この姿を杏子に見せるのは初めてだった。


「部屋までどうやって上がれというのだ」


家までは妖の姿でも問題はなかったが、家の中にはさすがに杏子を抱えてあがることは不可能だ。


「今は休め。森の方の邪鬼はまた現れたようだが心配するな」


「そんな、大変。行かなきゃ」


起き上がろうとした杏子は、ふらりと前のめりに倒れる。受け止め布団へと背を沈ませた。


「聞き分けろ。今は休めと言っている」


こくりと力なく頷いたのを見届け、自分も壁に凭れた。…似ていると思った。