はらり、ひとひら。



「きりがないっ」

斬っても突いても、全くと言っていいほど効いていない。


「くっ」


目の前の邪鬼に斬りかかる。


「主!」


「うぁっ」


背中に、激痛が走った。振り向くと、数体の邪鬼が俺の背中に群がっていた。服は裂け、滲み出る紅い血を啜る化け物。



「この…!」


こんなとき。椎名さんが居てくれたら─。


情けない考えは、灯雅の大声によって掻き消される。


「─おのれ!!」


怒りと共に、邪鬼共にぶつけられる羽も量も増す。痛む背中を気にせずに、再び刀を構える。



この刀で守れるものがあると信じている。


「椎名さん」


彼女は、護るべき側の人間だ。