はらり、ひとひら。



【真澄side】


雨だ。


窓の外、灰色の空から零れ落ちる幾千もの滴を見つめる。


「主、依頼だよ」


「ああ」


俺は、代々神崎家に伝わる妖刀『篝火(かがりび)』を握り締める。



刀袋から取り出し、鞘を抜き露わになった刀身を見つめる。いつも通りであることを確かめ、再び袋に戻した。


「いつその刀を受け渡されたんだい?」


「いつだったっけ…先代が亡くなって暫くだ。俺が中学生になってすぐだったかな」


妖は小さい頃から見えていたけど、父にはいつも守ってもらってばかりだった。偉大なる父を俺は超えることはできるだろうか。


「強くなろう」


傘を持たずに俺は家を出た。