「ゴン、師匠、帰ろう」
「杏子、構うな。朱獅子の狙いはもうそいつではなくなった。襲われる心配はない」
あ、そうか。でもなんかちょっとさみしいな。
「今度は、おいらがアンズを護る番だな!この身に代えても守る。朱獅子なんかに…アンズをやったりしない」
真剣な声と面差しに心の奥の方がじんとする。
「ありがとう、ゴン」
微笑み返し、師匠の背に乗ろうとした瞬間。悲鳴なのか唸り声なのか、よく分からない声が木霊した。
「なっ、なに!?」
この悪寒─
どこから…!頭上…いいえ、
「杏子!」
うし、ろ…!?
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