非道な選択をしなければいけない。…朱獅子を、祓う。
「アンズっ」
今まで押し黙っていたゴンが、私のもとへ駆け寄って来る。
「ごめん…ごめんっ、おいらのせいで!おいらが騙されなければっ」
泣き出したゴンの頭を、優しく撫でる。
「大丈夫。師匠がいるし私は負けないよ。本当は戦いたくはないけど…」
震えそうになる自分の心を叱咤しぐっと拳を握り締める。
「大切なひとを傷つける妖なら私は容赦しない。妖狩りをしてるひとだってそう。どんな理由があったとしても、この森を傷つけるっていうなら私は」
鬼になって見せる。
師匠のほうを振り向いて、「ね?」と緩く笑うと
「呆れて言葉も出ん」
心底迷惑そうに首を振る師匠がいたのだった。
