「消し去り退けることね。妖怪は、人にとって害なる存在だから」 「…うん」 わかっているけど。 なぜか、胸にひっかかるものがあった。 「ちょっと待ってて」 「・・・?」 お母さんはしばらくして、大きな平べったい木の箱を重ねて持って来た。 「それは、何・・・?」 乾いた音を立てて結ばれていた紐が解かれる。