はらり、ひとひら。



「お前、人間じゃないんだろ!?妖怪だかなんだか知らないけど…なんでこんな奴の面倒、姉ちゃんがみなきゃいけないんだよ!!出てけっ、消えろ!!」


「海斗!」


お母さんが海斗の腕を引いて、リビングから出て行ったのを呆然と見つめていることしか出来なかった。


「─姉ちゃんを巻き込むのは許さないぞ!!」


悲痛な声はよくリビングに反響した。突然の出来事に頭がついていかなくて、スプーンがかしゃんとカーペットに落ちた。


「ご…ごめんねゴン」

「いや。おいらが悪いんだ、ごめんアンズ」


カチャ・・・とゴンはフォークを置いた。


「気にしないでね?海斗、妖のこと良く思ってないらしくて」


海斗は、少しだけ妖怪の気配を感じることが出来るらしい。ごくたまに変なものを見るらしい。ゴンが人に化けていたのを見抜いてしまったんだろうか。


「私が妖が見えるのを、海斗は知っててああいうことを言ったんだと思うの。海斗なりの、優しさなのかなぁって」


ゴンは静かにうなずいた。