はらり、ひとひら。



「おいしい。さすがお母さん。…って、食べないの?」


なかなか箸を進めない海斗を見ると、私の向かいに座った海斗はゴンを睨んでいた。


「海斗…?」


「お前、なんでこの家に来たんだ」



ゴンを睨みつけながら、はっきりと言い切った。海斗のこんな顔、初めて見る。そういえば前にもこんなこと─あぁ、そう。師匠が初めて家に来たときと一緒だ。



「・・・出てけよ」


「海斗」


お母さんが静かに海斗をたしなめる。


「姉ちゃんもわけわかんない奴家に上がらせたりして、変だよ!!─もうこれ以上、変なもので姉ちゃんを苦しめないでくれよ!!!」


「え・・・」



海斗はぼろぼろと涙をこぼし、テーブルに手を叩き付けて激昂した。