妖気を練り込んだ石は的から大きく逸れ、がつんと何かの頭に当たった。
「ほう」
大きな猫目が、こっちを向いた。
「おや?その顔は…子狸とお見受けする。どうしたのです、そんなに青い顔をして」
「ひ、ッ」
まずい奴に当ててしまった。こいつ、知ってる。
「す、すまん!わざとじゃないんだ!許してください…」
「ははは、そんなに怯えなくともよろしいじゃありませんか。妖同士仲良くしましょう」
くっくと、あいつの喉が鳴った。おいら、聞いたことがある。
「だが気に入らぬ。では子狸さん。ひとつ、この獅子と遊びましょう」
「え…!?」
くすんだ赤い毛色、鋭い眼光。森を守る限りなく神に近い妖。
