「まったくあちこち罠があって厄介な。あとこれ、あんたのペットちゃんだろう」
「…師匠!?」
「途中で会ったんで拾ってきたのさ」
師匠は私と目が合うと身軽に床に飛び降り、反動をつけ思い切り頭突きしてきた。タックルがクリーンヒットした私のおでこはじりじり熱を持った。
「う、師匠の石頭!」
「また勝手なことを…!たるみすぎなんだお前は、危機感が足りんと再三言っておろうが」
「あんたがこの洋館の主かい?何が何やらさっぱりだ」
「そうともいうけど…お前たちはなんなのよ」
お互いはてなマークを浮かべて訝しむ灯雅とみっちゃん。ああ、説明しないとあらぬ誤解が…!モフ毛を膨らまして怒る師匠をなだめすかさないと…
「彼女は俺の式神の灯雅。あの白い毛の狐は、彼女…椎名さんの式神。で…灯雅、このひとはみっちゃんさんで、洋館に棲みつく妖だ。そしてもう一体この館内に妖がいる。それが黒だ。クラスメイトが操られていて、危険だ」
