はらり、ひとひら。



「─見つけた。私の家を荒らす野鼠」



人を闇にいざなう声は耳元で聞こえた。声に気取られ、次の一手をかわし損ねるところだったが神崎くんの式神が盾となり無事、命拾い。



「っ、ありがとう」



闇に浮かぶ色白の顔はうっそりと笑みを浮かべ、私と神崎くんの顔を舐めるように見回したがやがて「ち…違う!?」と声を上げた。突然のことに2人茫然とする。



姿を現した妖は引きずるほど長い髪を持っているようで、よく見れば館内のいたるところに髪が張り巡らされている。銀糸のような毛は蜘蛛の糸のように鈍く光っていた。



「あなたが…この館の主ですか?」


「そうなのかしら。さあ」


「ふざけ半分でこの場所に立ち入ってしまったこと、謝ります。けれどどうか、みんなを解放してくれませんか」



言葉の通じる妖なら、まだ話せばわかってくれるかもしれない。



「嫌よ。私は家を踏み荒らされてとても機嫌が悪いの」