はらり、ひとひら。



「もしもし?…山本?どした?おーい」


電波悪いな、と携帯を耳に当て直す彼に、嫌な汗が流れた。


『な、うわあああ!』

『きゃああっ─』


携帯から漏れる、つんざくような二人の悲鳴。一方的に通話の終了する音。


「切れた・・・」


朝比奈くんは青ざめた顔で通話の終了した液晶画面を見つめた。



もう、やめた方がいい。私は瞬間的に悟る。微妙な空気が一同の間に流れると、ひとりが声をあげて笑った。



「どうせやらせだろー?」


「上手く仕込んじゃってさ。いいよあたしたち見てくる」



二組目の木田くんと宮野さんがひらひらと手を振りながら闇に溶けるように扉の向こうへ消えた。


「待っ…!」